- 信楽火鉢が生まれる所 -

日本が誇る、信楽焼

シガラキ創陶社

滋賀県南部、琵琶湖の南方に位置し、古代より交通の要衝にあたる甲賀市。400万年前から40万年前にかけて琵琶湖が移動し、それによって堆積した良質な粘土、古琵琶湖層の上に信楽焼の産地があります。

シガラキ創陶社

この地で焼きあがる信楽焼は、「古信楽」と呼ばれる信楽特有の土味を生かした素朴な風合いが特徴です。同じ技法を活かしながらも時代の移り変わりとともに人々の生活に根ざした陶器作りで発展を遂げてきた信楽焼。昭和初期には、火鉢の国内生産シェアの80%を占めていました。

シガラキ創陶社

日本人特有の感性が生み出した自然の美を焼き物というかたちで表現する職人の技は、古より長い年月を越えて多くの人々を魅了し続けています。そんな信楽は、中世から現在まで生産が続く代表的な日本六古窯(越前・瀬戸・常滑・信楽・丹波・備前)の一つとして、平成29年「日本遺産」に認定されました。

シガラキ創陶社

また、大名に仕え、敵情を探り、奇襲戦を行うなど戦国の影で活躍した忍者の里と知られるこの地は、戦国時代を感じる城館が佇み、山々には忍者たちが修練の場とした山伏の行場があり、村々に祀られた鎮守の社は忍者たちが結集した合議の場として残っているなど、信楽焼とともに平成29年、甲賀忍者の里として日本遺産に認定されています。

山文製陶所

シガラキ創陶社

信楽火鉢を生み出す山文製陶所は、信楽で唯一、今でも火鉢を焼き続けている窯元です。明治26年、初代 今井文治郎により信楽焼きの窯元として創業を開始。当時の主製品である海鼠釉の火鉢などを作り、現在の5代目まで約120年の歴史があります。

シガラキ創陶社

現在では、傘立て、睡蓮鉢、花器、洗面鉢、壺など信楽窯業技術試験場と協同し、さまざまな陶器作りに取り組んでいます。今でも初代の頃と変わらず、時代の流れによる大量生産ではなく、一品一品職人の手作りで陶器の製造を行なっています。